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第59話

由斗side 「智輝」 「あのさ。話あるんだけど」 「何?」 「路と離れたい…俺だけのものになって。智輝」 「え?」 「…お前が路だけ特別に思ってることわかってんだよね。だから少ししたら俺は離れないとならないでしょ?」 智輝が最近やっと自覚してきた。路を思う気持ちと俺を思う気持ちの大きな違いに… 「やだ…離れたくない」 「智輝。何度も言ってきてるけどお前の家は可笑しい。路の言うことが正しい。もう理解してるんでしょ?」 「…」 「琉輝さんがこれまで何をしてきたのかわかってるよね?」 琉輝さんがこれまでしてきた多くの悪事もいろいろな伝を使いかき集めた。逃れられない夥しい数の証拠たち もちろん智輝の両親のしてきた証拠たちも もう少し…もう少しで智輝のことを解放できる… 智輝は始めは全てを認められなくて発狂してた。でも何度も何度も話し、そして智輝自身に直接取引の場に行ってもらってその目で見せた。 やっと理解してきたとき路の存在が一番危ういことに気付いた。 路がもし全てが整う前に存在を知られ何かされたら? 路は至って普通の家庭で大切に育てられてきた人。 そんな人があの仕打ちに耐えられる?きっと無理だ。 路が壊れてしまう。でもこのままにしておいたら間違いなく狙ってくるから…だから… 「智輝。1年…ううん。半年だけでいい…俺だけを見て?路と関わらないで?お願い…お願いだから…」 それから俺は智輝が路に話しかけようとするタイミングを見計らって外へ連れ出すことを何度も繰り返し体を重ねた。 路のことを少しでも忘れてくれるように… 「由…っ…ん…」 「智っ…お願い…俺だけを見て?少しの間だけでいいからっ、あっ…」 「由っ…ごめん…ごめんね…俺は路夏が…俺は…路夏を愛してるから…」 「んっあっ…わかってるからっ…あん…だから…だったら…半年だけ…時間を俺だけに頂戴…お願い…」 「…でも…何で?何で路と話したらダメなの?由…」 「俺だけを…見てよ…智輝」 ごめんね。智輝…ひどいこと言ってるのわかってるんだ… でも…路を守るためだから…辛抱して…ごめんね…智輝… 苦しめてごめん…路…智輝を好きでいて…

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