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第72話
智輝side
やっぱり俺は選ばれなかった…一番手放したくなかった大切な人…
兄を選ばせないため路夏と離れ由斗と一緒にいた…
でも…結局それは無意味だった。
腹が立ってた。由斗にたいして…
由斗があんなこと言い出さなければ…路夏を避けなければ俺は選ばれていたかもしれないのに…
路夏の切なそうな視線に気付いてた…熱い視線に気付いてた…
ごめんね…嘘だよ…って抱き締めたかった…でも由斗が止めた…
その寂しい路夏の心に兄は入り込んだ。あの人の得意とする処世術…
路夏と特別な関係になったから沢山の証拠を突きつけることは憚られた。
だってもしそれで路夏が傷付いたら?もっと嫌われたら?
そんなの耐えられないから…
だから…どこまでも付き合ってよね…由斗…
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