84 / 321
第84話
由斗side
路がまだ目を覚まさない。
傷はすっかり癒えたのだが…原因がわからないようだ
「路…いい加減起きないと…おっさんになるぞ…」
あれからもう5年たってしまった…
「路。早く目覚めないと智が寂しがってるよ」
柔らかい髪を撫でながら話し掛ける。
「ねぇ。路。俺ねお前の両親に会ってみようかなって思ってる。場合によっては…」
話していると待っていた姿
「由。ありがと。もう大丈夫だよ。お前明日出発でしょ?」
「智。うん…行ってくるね」
俺は明日こちらを発つ。
向こうで仕事をするためだ。
短期かもしれないし長くなるも知れない。
でももう智輝は自分を見つけたから…もう俺が側にいなくても強くなったから…
だから路夏…安心して戻っておいで
ともだちにシェアしよう!