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第83話
由斗side
「路。ごめんね。もっと早く動いていたら…」
今日も路に語り掛ける。綺麗な顔で寝てる路。
俺の判断が間違ってた…もっと…見ていれば良かった…
こんなにも後悔したことなんて無かった。
特に努力なんてしなくったってこれまではなんでも思い通りにいってた。今回智を離したことだってそれが正解だって思ってた…
それなのに…
「路…早く起きて…謝らせて…」
そんなの俺の自己満足でしかないけれど…
路の柔らかい唇をなぞる。
「声が聞きたい…笑顔がみたい…そのためなら俺は何だってするから…」
路に口付ける
物語だったら王子さまがこうしてお姫様を目覚めさせてくれるのに…
「路…大好きだよ…」
「由。来てたの?」
「うん。智は生徒会の仕事終わったんだね」
「うん。亜咲すごいね…あれだけの仕事抱えてたんだから…」
亜咲斗が退学した後その後任を任されたのは智輝だった。
生徒会の子たちが亜咲斗の手伝いを智がしていたことを知ってたからみんなで頭を下げに来た
だからこうして智がすぐに来られないときは俺が先に路に会いに来てた
「路夏…ただいま。今日もまたお寝坊さん?」
そうして毎日の日課が始まる
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