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第103話

智輝の優しい笑顔にまた涙が溢れて 「今日の路夏は泣き虫さんだね」 優しく涙を拭ってくれる智輝の胸に顔を埋めた 「ねぇ…智輝…」 「うん」 「俺ね…すごく…すごく…最低な奴だよ…」 「…」 「だって…琉輝さんの気持ち利用して…側にいた…琉輝さんはね気付いてた…俺が琉輝さんを通して智輝を見てること…だからね…琉輝さんは俺と関係を持ったことない。キスもしてない」 「…」 「俺ね…琉輝さんがしてきたこと許せないって思ってた…だからみんなに謝って貰いたくて無理矢理…相手の気持ちなんて考えてあげられなかった…相手はきっと二度と会いたくないほどのトラウマを抱えていたはずなのに…謝ったところでみんなの傷は癒えるどころかさらに抉ってしまうのかもしれないのに…そう…完璧な自己満足…もし俺が謝りに行こうなんて言わなければ…琉輝さんは生きていたかもしれないのに…亜咲斗だって…そんな俺がお前の側にいて言い訳ない…お前は幸せになって欲しいから…」 黙って聞いていた智輝に急に抱き締められる 「ねぇ…路夏…」 「うん…」 「あのね。路夏がいてくれたから兄さんは救われたんだよ?確かに今はもういない…でも路夏と出会ってなきゃ兄さんは何も変わらなくて…今も最低なやつだったかもしれない。生きていたからって良かったなんてそんなのわかんないよ?もしみんなに謝らせてなければみんなはもっと苦しんでいたかもしれない…亜咲斗だって…そうだと思う…だからね…そんなに悲しいこと言わないで?」 智輝が優しく笑う 「路夏はさ…俺に幸せになって欲しいんでしょ?」 「うん、」 「俺は路夏がいなきゃ幸せになんてなれない…俺の隣には路夏がいて欲しい。路夏と幸せになりたい…でもそれだと路夏は不幸せ?」 「そんなことない。俺は…俺は…智輝といたい…智輝のことが好きだから…」 「じゃあ一緒だ。ねぇ。路夏俺を選んで?一緒に生きて?だめかな?俺じゃ…ダメ…かな?」

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