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更紗の場合/26

「更さん。今日も綺麗ですね」 「…」 今日も朝から抱かれた後嬉しそうに髪を撫でながら語りかける佐知くんをただ見詰めていた 彼をこんな風にしてしまったのは俺。どんなに償っても償いきれない… ごめんね…佐知くん。あの頃のキラキラした佐知くんはもう…いない… 「更さん…もう逃げない?」 「…」 逃げる気はない…だから頷いた ゆっくりと拘束を解いてくれる… 痕がついてしまった手首や足首を撫でて申し訳なさそうに俯く佐知くん 「あぁ…更さんに傷付いてる…ごめんね」 「…」 首を横に降る。このくらい俺がしてきたことからすれば足りないくらいだ

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