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更紗の場合/28
考えたところで良い案なんて浮かばない…
何も出来ないままで時が過ぎていった
一先ず拘束は解かれたけどやはり部屋の鍵は掛かっていて開きそうもないし逃げようとも思わなかった。
佐知くんを救える唯一の方法が俺と交わることならそれを受け入れよう…
一生かけてこの体で償おう…
もう空は仰げないかもしれないけれど…
バタバタと大きな足跡が近付く。
佐知くんが帰ってきたんだ
「ここなの!さっちゃん誑かした人は!!」
「ちょっと待てって!」
「いや!!さっちゃんは俺の彼氏だもん!!」
「だからただのセフレだって言ったろ!」
「いやっ!!さっちゃんは俺の彼氏だもん!!」
バンッ!!!
すごい勢いで扉が開いた
「あんただね!俺の彼氏誑かしたの!」
俺の姿を見て何故そう言えるんだろう?どうみてもとじこめられてるのに
声が出ないから言い返すことも出来ない
「黙ってないで何か言ったら!?ねぇ!!」
肩を揺さぶられる。声出したくても出ないんだって…
「さっちゃんを返して!!返してよ!!」
「更さん!!!」
一瞬の出来事だった。
「…っ!!」
目の前に倒れる佐知くん…あぁ…やっぱり俺は…生きていてはいけないのかもしれない…
生きてるうちでまた目の前でナイフに貫かれる人を見るなんて…
「…っ…うっ…うぅ…あぁぁぁぁぁ!!!さっちゃーん!!いやぁ!!」
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