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更紗の場合/29
パニックになってる彼
どうみても急いで救急車呼ばないとならないのに…
ただ佐知くんにしがみつき泣きわめく…
声が出ず連絡ツールも持っていない俺には連絡が出来ない…だったら…
急いで部屋から走り出る。
靴も何もないから裸足で駆け出した
外に出ると見覚えのある場所…ここだったら…
記憶を便りに走る。誰とも擦れ違わなくて誰にもすがれない…
お願い…家にいて…
結局一人と遭遇することもなく目的地に辿り着いた
急いでインターフォンを押す
お願い…お願い…お願い!!
でも、誰も出てこなくて…
確かこの少し先にコンビニあった…そっちに向かい走り出したとき何かにぶつかる
「うおっ…!!大丈夫…で…更紗!!」
いた…見つけた…賢人…
「更紗!!どうした?」
ぐいぐいと賢人の服を引っ張り佐知くんの家に着く。
鍵は幸いオートロックではなかった
ダンッ!!
寝室へ戻りその光景を目の当たりにした賢人は瞬時に状況を把握した
直ぐに救急車と警察へ連絡して応急処置をしてくれた
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