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更紗の場合/36

そろそろと背中を撫でる賢人に縋るように抱き付く 「ん…あっ…」 「更紗?」 賢人side 背中を撫でているだけなのに甘い声をあげる更紗。 声出る…ならどうして普段は出ない? 相当ストレスに押し潰され本人も無意識に出さないようにしてるだけ…? じゃあ…優しくしてあげたら?更紗のわがまま聞いてあげたら声出るようになる?更紗の声…聞きたいな…更紗に呼ばれたい…更紗の声は決して高くはないけれどとても心地よい声だったことは覚えてる… 「更紗。感じてるの?」 「うぁっ…んっ…ん…あっ…」 あまりにも可愛らしく鳴くから…どうしよう…もっと聞きたい… 衣服の中に手を入れ素肌を撫でる。痩せて骨張ってはいたけれど肌の質は吸い付く。気持ちいい 「ねぇ。更紗。もっと触っていいの?」 うんうんと、何度も頷く。…うー…可愛い… 「キスしていい?」 ビックリしたようにこっちを見た更紗。すぐに頬を染め俯きながらも首肯く。 あれ?こんなに可愛かった?…どうしよう… 聞いたくせに固まってたら更紗が俺の腕から逃れベッドから降りた あ…やっぱ…いやだったかな? リビングに歩いていった更紗が手にしていたのはさっきのノートとペン。 さらさらと何か書いてる 『賢人。今は恋人いないの?俺のわがままに付き合ってくれるのは嬉しいけど恋人に悪いから…大丈夫だよ。我慢するよ?』 何それ…うゎ… 前の…智輝と付き合っていたときの更紗が言わないようなことを…相手がいたって構わなかった更紗が心配してくれてる…やっぱり少しずつ変わっているんだね 「今はいないよ」

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