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更紗の場合/41
賢人side
「何があったんですか?」
「俺が…更さんを…監禁してました」
「っ…」
男は菅原 佐知といった
菅原から聞く話は更紗の心を壊すのはあまりにも簡単なこと…
「ねぇ。更紗に何があったか知らなかったの?更紗…前にも監禁されていたことがあったんだ…君のしたことはそのときに起こった出来事を思い起こさせ更紗から声を奪った…」
「…」
「ねぇ…あの子は何?」
「あいつは…三門は…俺の…セフレです…あいつの気持ちは知ってて…利用して…こうなった…更さん…いってました…三門は俺の昔そのままだって…更さんのことが好きで好きでたまらなくて…追いかけていた俺に…」
「ねぇ…更紗のこと好きなの?」
「…はい。好きです…それなのに…俺は…間違った方法を取ってしまった…更さんのこと…好きだから…もう更さんとは会いません…近付きません…更さんのこと…よろしくお願いします…声を奪ってしまった俺が…こんなこと、言う立場にないことはわかっています…でも…更さんの…笑顔が好きだから…だから…助けて…ごめんなさい…」
菅原は目の前で静かに涙していた
「あなたは…更さんのことただの友人とは思ってないでしょ?」
「…何それ…?」
「同じ人を好きなんだから…わかります…どうか…どうか…更さんを…幸せにしてください…お願いします…」
美芳さんも同じこと言ってた…更紗を幸せにしてほしいって…
更紗のことを思い身を引く…どれだけ深い愛なんだろう…
「佐知くんも…幸せになって?ちゃんと罪償って出てきたときには必ず…約束だからね」
「はい…」
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