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律の場合/16

「京!!」 「どした?律。そんなに慌てないの。体にさわるでしょ」 「だって…」 「おいで」 座っていた京に手招きされる。京の膝の上に向かい合わせに座る。京は啄むようなキスをくれてきゅっと抱き締めてくれた 「一人の体じゃないんだよ。だから落ち着いてね。転んだら大変でしょ。それで?どうしたの?」 「あのね。ミッチーが目を覚ましたって」 「そっか!よかったぁ…俺結局会いに行けなかったから。」 「ねぇ。ミッチーの快気祝いしたいんだけど…智輝のことだからそんなのより二人で過ごしたいだろうけど何か…できることないかなって…考えたら…」 「うん。みんなミッチーのこと心配してたしね。向こうが平気ならやろうか?」 「うん!」 そうして久しぶりに見たミッチーは顔色もよく昔のように柔らかく花のように笑ってた その姿を眩しそうに見つめる智輝。あぁ…ずっと…ずっと見たかった…智輝の本物の笑顔… 隣を見ると京が静かに涙を流していた 「京?」 「ん…ごめん…よかったなって…智輝の本物の笑顔が見られた…本当に…良かった…智輝はこれまで誰より頑張ってきたよね…本当に…良かった…」 「…」 まだ…智輝が好き?…やっぱり智輝には敵わないのかな? 「律?変な顔してる…余計なこと考えてるでしょ?」 「え?…」 「智輝を愛してたのはもう過去の思い出だよ。今俺が一番に思うのは律だよ。だから…そんな顔しないで?大好きだよ」 「京…大好き…」 どう足掻いても自分の思いに打ち勝つことはできない。 俺は堪らなく京のことが好きで誰よりも愛してる…京がいてくれれば俺は俺でいられる… 京が笑いかけてくれるから…だから俺は生きていける。 京…京…これまでも…これからも…ずっと…ずっと…側にいてね… 律の場合…完

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