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空雅の場合/5
今日は久しぶりの連休で数回あってるセフレである八尋さんと朝まで過ごしてた。
セフレの中でも一番会ってる人。体の相性もかなりいい。
そして何より…
「智輝に少し似てるんだよね…」
顔の作りだったり綺麗な笑顔だったり…優しさだったり…甘さだったり…
これ以上会うとこの人だけに依存しそうで怖いんだけれどやっぱりどこかで智輝を求めてるから…
「バカみたい…」
まだ少し眠い目を擦ってカーテンを開ける。
ここはセフレの一人がくれたマンション。腐るほどあるから要らないんだって。
セフレを解消した今でも気にかけて連絡をくれる兄みたいな人。
唯一の人を見つけて今は幸せに暮らしてる。
「んーっ…いいお天気…お腹すいたなぁ…」
冷蔵庫を開けると何もない。
「あー…だるい…」
デリバリーすることも出来るけどあまり好きじゃない。
「仕方ない…買い出し行こうっと…」
お風呂に入ったり着替えたり出掛ける準備をしていたらもうお昼過ぎ。太陽が高い位置にあった
「眩しい…」
目を細めてゆっくりとスーパーへ向かい歩みを進めた。
でも一番近くのスーパーに欲しかったものがない…仕方なくお散歩がてら少しだけ遠出して大きなスーパーへ向かった
品揃えも豊富だからここに来ればないものは無い
欲しかった調味料を見つけて他にも食材を買い込んだら結構な荷物になった
「タクシー…使おっかな…」
そう思ってスマホを取り出したときクラクションの音がした。
何かな?振り返ると朝まで一緒にいた人。
「空ちゃん!」
「あぁ!八尋さん?どうしたの?お仕事?」
「今日はねぇ午前中だけ仕事だったの。明後日から海外出張だから午後と明日休みくれたんだよね」
「そっか。今回はどのくらいいくの?」
「一週間くらいだよ」
「気を付けてね」
「ありがと。にしても…空ちゃん…すごい大荷物だね。送るよ」
「いいよぉ。タクシーで帰るし。お連れの人に悪いでしょ」
そう。左ハンドルの八尋さんの車の助手席にたとても綺麗な女性?が座ってた
「ん?大丈夫だよ」
「やっちゃん。この子が噂の空ちゃん?」
「うん。かわいいでしょ」
「うん!可愛い!!僕ここで降りる予定だったから送ってもらいなよ!ね?ね?」
すごく可愛い人だなぁ…
「ほらあ!」
ぼんやりしてたらいつの間にかその人が僕のとなりに来てた
「僕美也だよ!よろしくね!」
「男性?」
「そだよぉ。あはっ!わかんなかった?んならやっちゃんありがとね」
そういうと八尋さんの頬にちゅっとキスをした
「美也ぁ!だめだよぉ!こんなとこでぇ」
「ふふふっ。いいじゃーん!んならまたね。今度遊ぼうね!空ちゃん」
ヒラヒラと手を振り去っていく後ろ姿を目で追った
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