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空雅の場合/7
八尋side
昨日の夜から朝までとても幸せな時間を過ごした
彼と初めて会ったのは2年前の雪の降る寒い日だった。
その日俺は当時交際していた人にフラれていた。
理由は相手の浮気。俺ではなく浮気相手を選んだ彼は幸せそうに笑いながら去っていった
自分でも驚くくらい落ち込むことはなくてでももて余した熱を適当に張らそうとそういう人の集まる店へ赴いた。
店のマスターとは顔見知りで俺が別れたと聞いて心底申し訳ない顔をしていた。
理由は相手が一つのところに留まる人ではないということを知りながらも強くは止めなかったから。
マスターは何も悪くないのにね
「でもね。俺もっと落ち込むと思ってたの。それがねそうでもなくて…だから…俺は彼のことあまり好いてなかったのかもしれない。ただそういう相性だけが良かったから側にいただけなんだろうね。さっきフラれたばかりなのにもう他を探そうとしているのがいい証拠だよね」
「…八尋さん。貴方はこれからもそれでいいの?」
「本当に心から好きになれる人が現れたら…変わるかも…ね…あいつよりも…」
実は俺にはまだ引きずっている恋がある。
初恋で…初めての恋人で…そして…初めて失った相手…彼はもうこの世界に存在はしない…
マスターは実はその彼の兄だから俺の想いもずっとわかってる
「八尋さん。もういいんじゃない?充もこんな八尋さんは望んでないよ…」
「わかってるよ。でもね…まだ出会えないの…充以上の人に…」
そう言いグラスを傾けて弱くはないお酒を飲み干した。
「さてと…今夜はどの人にしようかな…」
店に入ってすぐ数人に相手をお願いされたけどどの子もしっくり来ない。そうして数時間…
「…今日は…大人しく帰ろっかな…」
そう呟いたとき店の扉が開いた
ああ…この子が欲しい…そう思ったのは一瞬の出来事…
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