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空雅の場合/20

「みやび。3001号室」 「はい」 今日から僕も仕事。今日はどんな人かな? 「こんばんは。malice de l'ange みやびです」 『今開けるね』 扉を開けてそこにいたのは今人気急上昇中の俳優。 「初めまして。よろしくお願いします」 「よろしくお願いします」 「コースはどうしますか?」 「じゃあ…540分で」 「オーナーに確認します」 『お疲れ様です。オーナー。540行けますか?』 『みやび。お疲れさん。540ねぇ…ん~。OK。残りの予約は何とかする』 『わかりました』 『ご新規さまだから頼んだぞ』 『はい』 「大丈夫だそうです」 「無理させちゃいました?」 「ふふ…大丈夫ですよ」 このコースは時間も長くフルオプション。 あまり得意じゃないアブノーマルなプレイも拒否権はない。お客が望むなら外でのプレイだってある。 「木築さん」 「はい」 「緊張していますか?」 「えぇ…初めてなんです…こういうの使うの…だから…正直どうしたらいいかわかんなくて」 「そうなんですね。大丈夫ですよ。」 「あの…みやびさん」 「はい」 「えと…実は…俺…童貞非処女なんです」 「そうですか。女性じゃなくて良かった?」 「みやびさんのこと…実は先輩に写真見せてもらって…ずっと会いたかったんです…みやびさんがいいです」 「ふふ…ご期待に添えるよう頑張りますね」 彼の名は木築 萌葱。元はモデルをしていて人気に火が付き今は俳優業が主になってる。 「みやびさん…」 「はい」 「えと…」 見た目がとても綺麗で博識でもありスポーツもできる。役も見た目通りの爽やかな役から猟奇的な役まで何でもこなす人 「俺タメなんで敬語じゃなくていいです。むしろ…その方がいいなぁ…って…」 「うん。わかった。大丈夫だよ。そんなに緊張しないで。ね?」

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