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空雅の場合/24

萌葱side 双子の弟緋色とは生まれた頃からずっと一緒。 緋色は小さい頃は人見知りが激しくてよく俺の後ろに隠れていた。 そんな姿を見ていた俺は俺が緋色を守らないとならないからと必死で強い兄を演じていた。 どこへ行くのも何をするのも一緒。好きなものも苦手なものもほとんど同じだった そんな緋色と俺。 中学は部活が必須だったから部活に入ることになる。そこで初めて違う競技を選んだ。 そうなると遊ぶ友人も変わってくる。一緒に過ごす時間もそれまでより減り嬉しくもあり寂しくもあったけど俺の感情の変化はそれだけじゃなかった。 他の男や女と楽しそうに話す緋色にイライラした…俺の緋色だったのに…俺がいないと何も出来なかったのに…なのにどうして…今は離れてるの?他のやつに笑顔を見せないでよ。俺のいないところで… どろどろした感情が恋だと気づいたときにはもう遅かった… 血の繋がった何もかも同じの緋色のことが俺は…これは間違った感情だ…間違ってるんだ…そう自分に言い聞かせこれまでと変わらないで過ごす努力をし続けていた… 高校も同じ学校で高校時代はクラスも三年間一緒だった。理由は成績順にクラスが決まる学校だったから。 頭の作りだってそのまま同じで同得点で同率順位というのもいつものことだった。 そうなれば俺たちは学校中の有名人となり好意を寄せるものも増えてきた。 何度か告白されたけど俺は緋色のことが好き…だから全て断った。 そんなある日のことだった。 この関係が大きく変わったのは…

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