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空雅の場合/62

「おはよぉ。あれぇ?紫水。早いね」 いつもなら僕の方が先に起きるのに珍しく早かった紫水に驚く 「はよぉ。ご飯出来てるよぉ」 「ありがと」 出会った頃は全く料理ができなかった紫水。それが今はどうだろう?食卓の上には美味しそうなご飯が湯気をあげていて食欲をそそった 「美味しそう」 「ふふっ。一緒に食べよう」 驚くくらい美味しくてビックリした。 「すごいねぇ!すごい!美味しかった!ごちそうさま」 「うん。良かった!店行けそう?」 身請けの話をするため店に行くつもりではあった。でも… 「空雅?大丈夫?」 「え?」 「なぁんかぼんやりしてるぅ。萌葱さんがどんなつもりなのかまだ不安なの?」 「ん…ん?名前言ったっけ?」 「オーナーさんと話してたじゃん。オーナーさん木築さんって言ってたし…あ。盗み聞きするつもりなかったんだよ?ごめんね。俺さ地獄耳なの。家の中物音しないしすこーしだけオーナーさんの声も聞こえたの。お前は萌葱って言ってたし。昨日会ったあの俳優さんでしょ?お前の店からして。昨日のあの人俺に嫉妬心丸出しだったよ?」 「それはないって」 「そうだったとしたら?嬉しい?」 「わかんない」 「特定は作らない考えのお前が変わっちゃうのかもねぇ。まぁ。何かあったらいつでも戻っておいでねぇ」

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