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お泊まり 6(side:斉藤先生)

 そんなふうに夜遅くまで話し込んでいたが、やがてだんだん佐藤くんの言葉数が少なくなっていき、とうとう首がかくんと傾いた。 「ああ、遅くまでつき合わせてごめんね。  そろそろ寝ようか」 「あ、いえ、まだ大丈夫です」  そう言う佐藤くんの目はとろんとしていて、かなり眠そうで全く大丈夫じゃない。  っていうか、お願いだからもう寝て!  その目、色っぽ過ぎてまずいから! 「いやいや、佐藤くんもう寝た方がいいって」 「うー、でもきっとこんなふうに斉藤先生とお話しできる機会なんてもうないと思うし……」  え、ちょっとなんなのこの子、なんでそんな可愛いこと言ってくれるの? 「そんなことないよ?  またいつでも遊びに来てくれていいし、僕も名古屋に行く機会があったら向こうで会えばいいし。  あ、あとで連絡先も交換しようよ。  そしたら通話アプリとかでまた話せばいいから、今日のところはもう寝ようよ、ね?」 「んー、ほんとに?  約束してくれますか?」 「うん、するする。  約束ね」  眠いせいで欲求に忠実になっているのか、子供みたいな可愛いワガママを言う佐藤くんに萌え転がりながら、俺は佐藤くんに手を貸して布団まで連れて行く。  ああああ! 触っちゃった! 二次元なのに!  我ながらかなり混乱しつつ、佐藤くんを寝かせて布団をかけてやる。 「電気消しても大丈夫?」 「はい、おやすみなさい、斉藤先生」 「おやすみ、佐藤くん」  あいさつを交わして電気を消し、自分の寝室に向かうと、ドアを開けるのと同時に佐藤くんの寝息が聞こえてきた。  あ、もう寝ちゃった。限界だったんだな  ていうか、寝息も可愛いな。ずっと聞いてたい。いや録音……むしろカメラのナイトモードで寝顔を動画に……。  って、それ犯罪だから!  危うく欲望に負けて佐藤くんを盗撮しそうになり、俺は佐藤くんの寝顔を見に行きそうになる足を無理やり寝室の中に向けてドアを閉めた。  ……っていうか、俺これ寝られるのか?  ベッドに横になり目を閉じながらも、若干不安になる。  あ、客用布団とシーツ、新しく買わないと。  可愛い佐藤くんが寝た布団をむさい友人たちに使わせるわけにはいかないから、また今度新しい布団を買っておかないといけない。  代わりにあの布団は永久保存だ。 (念のため言っておくと、二次元な佐藤くんの使った布団を変態的な目的に使用するつもりはないので洗濯はする)  そんなふうにどうでもいいことを考えながら、俺は眠れない夜をもんもんとして過ごした。

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