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おまけ:佐藤くんのパンツ 2(side:斉藤先生)
「ほめてくれたお礼ってわけじゃないけど、ついでだからみのるにもプレゼントしようかな。
実は前からみのるに下着をプレゼントしたいっておもってたんだよね」
「えっ、なんで下着を……」
「だって、みのるの洗濯物たたむ時、いつも安物のトランクスばっかりだったから、もっとはき心地いいやつはけばいいのにって気になっててさ。
それともみのるは下着になんかこだわりがあるの?」
「いえ、全然。
いつも適当に買うから安物ばっかりだし、トランクスなのは実家では男が5人もいたから、母が『各自が好き勝手買ってきたら、洗濯物たたむ時どれが誰のパンツかわからなくなるから、爺ちゃんは白ブリーフ、父ちゃんは色柄ブリーフ、富士がボクサーブリーフで津軽はビキニ、林 はトランクスね!』って決めちゃったもんで」
「ああ、なるほど。
確かに5人もいたらお母さんも大変だよね。
けど、そういうことだったら、実家に帰る時以外は他の下着でも大丈夫なのかな?」
「そうですね。
小学生までブリーフはいてた以外は、ずっとトランクスなので、他にどういう下着がはきやすいのかわかりませんけど」
「じゃあ、やっぱり俺がみのるに合うと思うのをプレゼントするよ。
俺も、脱がせる時にみのるが俺が選んだ下着をはいててくれたら燃えるしね」
俺がそう言うと佐藤くんは赤くなりながらも「じゃあ、遠慮なくいただきます」と言った。
佐藤くんの許可を得たので、いつも下着やシャツを注文している別のサイトを開く。
「佐藤くん、ビキニが似合うと思うんだよねー」
「え、ビキニですか?
吉高さんみたいなボクサーブリーフじゃなくて?」
「うん、ボクサーでも悪くはないけど、みのるはビキニの方が似合うかなって」
実際は似合う似合わないと言うよりは単純に俺の趣味である。
せっかく恋人にはかせるのなら、布の面積は少ない方がいい。
俺ははき心地のいいブランドの物を中心に何枚かをカートに入れる。
「え、その白のって生地薄そうだから透けませんか?
そ、それは小さいんじゃ……っていうか後ろほとんど紐……」
佐藤くんが後ろであわあわ言っているのには構わず、俺はさっさとカートの中身を精算する。
「よし、完了。
届くのが楽しみだなー」
「ううう……。
僕、あの恥ずかしいやつははきませんからね!」
「えー、はいてくれないの?」
「はきませんよ!
僕だけあんなの、恥ずかしいじゃないですか」
「じゃあ、俺もセクシーなのはいたらみのるもはいてくれる?
一応2、3枚はセクシーなのも持ってるからさ」
「吉高さんのセクシーな下着……」
佐藤くんはそうつぶやくと、うろうろと視線をさまよわせる。
「えっと、じゃあ、吉高さんも一緒にはいてくれるなら……」
おや、意外。
俺のセクシー下着が見たいなんて、佐藤くんも結構スケベなんだな。
恋人の新しい一面を発見したことに心を浮き立たせながら、俺は「じゃあ約束ね」と佐藤くんと指切りをした。
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