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「涙……ちゅー、しよ」
「……ん、」
「……べろちゅー」
「えっ、ええっ」
「舌絡めるやつ」
「まっ、て……それ、わかんない、……んんっ」
たまらずキスをしたくなって、俺は涙の唇を奪った。舌先で涙の唇をにゅるっと撫でてみれば、涙はびくっとして唇をわずかにあける。その隙に舌を涙の口の中に滑り込ませると、涙は「んーっ」って唸りだした。
びくんっ、びくんっ、って震えて涙は俺の背中にしがみつく。そういえば体の内側にはいるのは初めてだな、と舌を挿れてから気付いた。涙、怖がってないかな、と不安になっていったん唇を離す。
「ご、ごめん……やって大丈夫だった?」
「ん……ばかっ……」
「ごめん……いったん止めておこう、うん、」
「ま、まって……」
涙はぽろぽろと泣きながら顔を赤くしていた。やばい、って思ったけれど、涙は俺をぎゅって掴んで離さない。
はー、はー、って息を吐きながら、涙は息を整えている。唇をもごもごとさせていて、何かを言おうとして言えない……そんな様子。がんばれ、って顔をそっと撫でてやると、涙は震えながら口をそっと開く。
「……も、一回……して……」
――この、ばか。どんだけ可愛いんだよ。
あんまりにも涙が可愛くて、いっそ怒りすらも覚えるほど。これを無自覚でやっているんだからこいつはすごい。
「……じゃ、べろちゅ、教えてあげるから」
「ん……」
「舌、出してみ」
「ん、ぁ……」
涙のなみだをみると、劣情を煽られる。それは変わっていないから一気に襲いかかりたくなる――そんな衝動を抑えるのには苦労した。でも、ここが一番大事なところな気がしたから必死に我慢をする。初めてのディープキスと、初めてのエッチ。ここで涙を怯えさせてはいけない。
ゆっくり、ゆっくりと進めていこう。そう思って俺が涙に指示をしてみれば、涙は素直にその薄く開いた唇から舌を出した。ふるふると震えながら、羞恥に顔を赤くしながらそんなことをされて、うっかり下腹部が熱くなる。でも、我慢。
「そう……じゃあ、俺が舌を挿れたら、涙も俺の口の中に舌挿れろ」
「……いれたら?」
「舌を動かして、俺のと絡めて」
「……ん、」
よしよし、がんばれって。俺は涙の頭を撫でると、かぷっと唇にキスをした。
「んっ……ん、ん……」
涙の頭を両手で支えるようにして、深いキスをする。舌をなかにすべり込ませると、さっきと同じように涙はびくびくと震えだした。少し目を開けて涙の表情を伺ってみれば、涙はぎゅっと目を閉じていてものすごくがんばっている、って感じがする。
やっぱり怖いのかな……そう思って、極力優しく涙の舌を愛撫した。どうしたらいいのかわからないで動かせないでいる涙の舌を、丁寧に舐っていく。指先で髪の毛を梳きながら、優しく優しく涙を愛でてやった。
「……ん、……ふ……」
そうすると、やがておずおずと涙も舌を動かし始める。ちょい、と舌先で俺の舌をつついて、そしてゆっくりと奥にいれてくる。いい調子、って涙の頭をなでなでとしてあげて、俺は涙に合わせてゆっくりと舌を動かした。やがてこわばっていた涙の体から力が抜けて、涙は俺をそっと引き寄せてくる。
「あ……ん、……ふ……」
すっかり声が蕩けてきて……涙の舌の動きも積極的になってくる。もう一回瞼を開けてみると……涙も俺をみていて、ばちっと目が合ってしまった。さっきの緊張感丸出しのぎゅっと閉じた目とはちがって、とろんとしている。気持ちいいんだな、そう思うと嬉しかった。
「涙……べろちゅー、気持ちイイ?」
「ん……もっ、と……」
「んー、はいはい。いっぱいキスしよ」
「うん……」
濡れた瞳で、涙はキスを懇願してくる。もう、きゅんきゅんがとまらない。涙のやつ、デレデレじゃないか。いつものツンとのギャップが凄まじくて、くらくらしてくる。
俺も気を抜けば顔がデレッとにやけてしまいそうで、がんばってキメ顔を維持し続けた。リードする側がデレデレしててどうすんだ、という使命感だ。すっかりとろとろな表情になった涙の顔にキスの雨を降らせてやると、涙がうっとりとした様子ではあっ……と息を吐く。そして、ご要望通りに再び唇を奪えば、びくびくんっ、と身体が震えて仰け反った。
「ふっ……あっ……あ、……んんっ……」
今度は、少しがっついてみた。涙の口のなかを舌でぐいぐいと掻き回して、至る所を刺激する。舌を丁寧に舐めあげて、歯茎の裏をこすって、隅々まで弄ってやる。涙はもう動けなくなってしまっていて、舌はふるふると震わせるだけ。でも、俺を掴む手には力がこもっていて、もっとして、ってせがんでいる。
かく、かく、と動き出す涙の腰。のけぞり、浮いた腰に手を添えてぐっと俺の腰に落ち着けてやれば、「んんーっ」と涙が声をあげる。下腹部をくっつけて気付いたけれど……涙のが、堅くなっている。キスで感じてるのか……可愛い……そう思ってさらにぐいぐいと腰を押し付けてやれば、涙の身体は小さく痙攣して……
「あっ……あぁっ……!」
俺が唇を離すと同時に、イッてしまった。虚ろな目をして、甲高い声をあげて……それはもう扇情的なイキ方で。
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