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第十一章 君の泣き声が聞こえる。
「入院!?」
登校した瞬間に聞かされたのが、涙が怪我をして入院したということだった。入院するほどの怪我、なんて、余程の怪我だ。まさか、自分でどこかを傷付けたんじゃないだろな。保健室で涙が自分を刺そうとしたときのことを考えて、ゾッとする。
涙は、最近どこか不安定にみえる。昨日なんかはだいぶ良かったようにみえたけれど、なんだか危なっかしい。目を離せば俺の知らないところで涙が苦しんでいるような気がして、怖くなってしまう。
今日は、学校が終わったらお見舞いにいこう。俺が、あいつを支えてあげなくちゃ。
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