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 ゆうの後に、俺もシャワーを浴びた。髪を乾かして、歯を磨いて、寝る準備を整えてから部屋に戻れば……布団の上で、ゆうが先に眠っていた。  布団はあの人のと、今ゆうが寝ているこの布団の二組しかないから、必然的に俺はゆうと同じ布団に寝ることになる。ゆうが起きないようにそっと布団の中に潜り込めば……布団の中は、ゆうの体温で暖まっていた。 「……」  ああ、ゆう。生きている。  それを実感してーー俺は思わず、泣いてしまった。失いそうになっていた、大切な人。その人の体温をこうして感じることができて、嬉しかったのだ。  ゆうの顔をそっとのぞき込めば、心なしか穏やかなものになっている。少しでも、ゆうのなかにある苦しいものが消えたのなら……それは、本当に嬉しいこと。 「……おやすみ、ゆう。また明日ね」    そっと、ゆうの頭を撫でてみる。  そうすれば、ゆうの瞳から一筋、なみだがこぼれ落ちた。

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