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第1話 目覚めた場所で

「ん、……」 琉李は寝起きで怠い身体をゆっくりとおこした。何度か緩慢に瞬きを繰り返してから辺りを見回す。 「……ホテル…?」 ここは正真正銘ラブホテルだろう。自分が全裸だということにもそれで納得がいく。 昨日は誰と寝たっけ…。 必死に記憶を辿ろうとするも昨日の記憶は見当たらず、二日酔いなのか酷い頭痛がする。 昨日寝た相手いないんなら、もう一回寝るか。 琉李はもう一度ベッドに身体を沈めて目を閉じた。が、意識が沈む前に静かな部屋に誰かの声が響く。 さっき部屋を見回して誰もいなかったから、相手はもう帰ったのかと思っていた琉李は、少しだけ驚いて寝転がったまま視線を投げた。 「あ、三波。目、覚めた?」 「は、…? なんでお前……」 壁にもたれ掛かるようにして立っていたその人物は、同じ大学にいれば否が応でも存在を知ってしまう、どこかの貴族のような振る舞いやエスコートなど、まさに王子と呼ばれる同い年の男だった。 まさか、昨日寝た相手って………。 琉李が最悪の結論を考えていると、男は琉李が寝転がっているベッドまで近付いてくるとそこに腰掛けた。そして、そんな琉李の思考を読んだようにその男、秦静 晶は口を開いた。 「大丈夫。俺と君はなんにもなかったよ、三波君。……ま、今から襲うけど♪」 そう言った途端に近付いてきた晶の唇を、琉李は避けることが出来なかった。 琉李が頑なに口を閉じていると、煩わしく思ったのか晶は全裸だった琉李のモノに触れる。 「んンッ! あっ、」 急な刺激に思わず声をあげてしまい、晶はそれを見逃さずに琉李の舌を自分の舌で絡めとった。 晶の口から流れてくる少し苦い液体に、飲まないようにと抵抗を見せるが、唇を隙間なく合わせられて鼻まで摘ままれてしまっては飲まざるを得なかった。

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