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第4話 ~誤解なんだよ本当に編~

真生の部屋に三人が膝を合わせて話をしていた。 「いつの間に、兄貴と仲良くなったわけ?そういう意味で」 「いやいや、誤解なんだってば~ッ‼」 出ていく慎を呼び止めてこうして話を始めたはいいが、彼の顔は渋いままだ。 「誤解、ねぇ…」 慎がチラリと視線を横にする。 誤解と言っても信じてもらえないのには訳があるのだ。 「あ~ッ‼もうっ‼離れて下さいよ~っ」 真生が何故か、くっついて離れてくれないのだ。 ピトッと擬音がつきそうな雰囲気。 「…何で?」 「何でってッ‼」 困るからに決まってるだろう‼ 「慎が目の前に居るのに、困るからに決まってるでしょーが‼」 「ほうほう。俺が居なけりゃ問題ないと…」 「ちっがーうッ‼」 慎の切り返しに慌てて否定するも、相手の表情は死んでいる。 「あ~ぁっ。人が買い出しに行って戻ってみれば、何故か兄貴の部屋でイチャイチャしてるんだもんな」 「イチャイチャしてねーよ‼」 「ふふふっ」 隣で真生が面白そうに笑う。 「あんたも何笑ってんの⁉否定しろよ、否定~ッ‼」 必死で誤解を解こうとする蒼真とは反対に真生は楽しそうに、懲りずに体を寄せてくる。 「第一、その格好何ッ⁉男がやって許されるものじゃないだろうっ‼」 真生の無駄に色気のある格好が悪いのだ。 ただでさえ顔とか体とか危ないのに、その格好はわざとなのか⁉ ノーマルの蒼真がフラフラと誘われてしまうのだから。 「兄貴の色気に惑わされる男の多いこと多いこと」 「惑わせてないよ~。第一に僕、男だよ?」 コテン?と首を傾げる真生。 あざとい。 あざとすぎる…‼ けれど、どうやら真生は天然でやっている様なのだ。 そうなると本当に質が悪いというものだ。 このヤロウ…ッ! 怒りに似た何かにメラメラする蒼真に真生が気がついたらしい。 「…なぁに?」 クリクリの目で自分を見上げてくる真生。 そんな年上に見えない小悪魔な真生に、言葉が出てこなくて溜め息をついてしまう蒼真なのだった。

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