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月夜の夢
ふわふわ…。
…ふわ。
ぽすん。
雲の上に優しく乗せてもらったような感覚。
「んぅ…?」
「ちゃんと自分のベッドで寝ないと、風邪をひくぞ」
「えう…ぅ」
アルフリートはふにゃりと笑う。
大好きなリカルドの香りをこの夢は独り占めできるから…。
「甘えん坊だな、アルは」
「えへへ…」
ギュウギュウと抱きつくと、頬に羽の様な何かが触れる。
ふわ。
「んに…」
もっととねだる様に腕に力を籠める。
ふわ。
「えへ…」
もっと触れて欲しくておねだりをする。
その度にフワリと触れる感触が好きで。
「ルゥ…?」
「アルにだけ、特別だからな?」
「ん…」
いつも触れてくれるこれは何なのだろう。
銀の髪?ピンと立った耳?
それとも…?
「ルゥ…」
「ん?」
「もう、ちょっと…」
嬉しくて、アルフリートは沢山おねだりをするのだ。
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