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◆◇◆ アルフリートの香りがする上着に包まれて、アレクが気持ち良さそうに眠るのをしっかり確認してから、変に捩れた体勢で寝ていたアルフリートをそうっと自室に連れてきた。 もし、途中でアレクが目覚めたなら、直ぐに傍に行くつもりでいる。 ふわ。 すべらかな頬に触れたリカルドの睫毛。 その感触に、長い睫毛がフルンと震える。 「ルゥ…」 「どうした?」 「んに…」 背中に回された腕に力が籠る。 もっと、ということなのだろう。 そうっと睫毛で触れる度、アルフリートの表情が和らぐ。 「甘えん坊だな、アルは」 「ル…ゥ…」 夢現の中、バタフライキスをする度に擽ったがりながらもリカルドにねだる。 ふわ。 「んに」 ふわ。 「くふ…っ」 「甘えん坊だな、アル…」 そんな中。 …チュ。 二人の唇が自然に触れていた。

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