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そうっと触れた唇。
ピリ。
「んう…っ」
軽く触れただけで、体に稲妻が走り抜けた。
「えう…?」
「………っ」
ほんの少しの身動ぎで、華奢な躯から甘い香りが立ち上る。
香水や石鹸ではない、アルフリートの肌の香りが…。
鼻から入り、脳髄を焼く。
脳髄を焼いて、……体に熱を籠らせる。
「ん…」
「んう…」
重ねて、啄む。
身動ぐ度に、甘い香りが脳を焼く。
「あ…ぅ」
「ん…っ、んう…っ」
少しずつ触れる位置をずらし、首筋にひとつ、唇を落とす。
「あ……っ、んぅ…っ」
「アル…、アルフリート…」
緩んだ袷から忍ばせた指が、滑らかな肌を滑り。
芯が通った粒に触れた。
これは夢なのか、現なのか。
過ぎる快楽に身を捩り、アルフリートはリカルドが与える口づけに酔う。
「ひぁ…っ、…ルゥ…っ」
「ア…ル…、舌…出して…み」
「んふ…」
差し出した舌がやわやわと噛まれて、華奢な体がびくびくと跳ねる。
片手を袷から滑り込ませ、ゆっくり下へと滑らせる。
「あふ…っ、あっ、あ………っ」
二人の熱を纏めて手で包み、滲んだ蜜の滑りを借りて更に煽り立てていく…。
一度寝入ったら絶対に起きないからこそ、こうして触れていられる。
「あっ、あ…っ、あぁ…っ」
「俺だけを…、いつか、俺だけを受け入れてくれ…、アル…」
「んぅ…っ」
「………っ」
いっそ、このまま自分の。
自分だけのアルフリートにしてしまいたい。
だが。それは許されていないこと…。
許されないからこそ、リカルドの中で更に熱は渦巻く。
一気に高みへと押し上げられる感覚の後、意識が真っ白に塗りつぶされていく。
「………ぁ…っ」
「……くぅ……っ」
すべらかな肌に散らされた熱の残滓。
それを軽く拭いてやり、そっとベッドから抜け出す。
お湯に浸したタオルで、改めてアルフリートを拭いてやらねば。
体の疼きを堪えながら、リカルドは台所に向かった。
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