6 / 26

そうっと触れた唇。 ピリ。 「んう…っ」 軽く触れただけで、体に稲妻が走り抜けた。 「えう…?」 「………っ」 ほんの少しの身動ぎで、華奢な躯から甘い香りが立ち上る。 香水や石鹸ではない、アルフリートの肌の香りが…。 鼻から入り、脳髄を焼く。 脳髄を焼いて、……体に熱を籠らせる。 「ん…」 「んう…」 重ねて、啄む。 身動ぐ度に、甘い香りが脳を焼く。 「あ…ぅ」 「ん…っ、んう…っ」 少しずつ触れる位置をずらし、首筋にひとつ、唇を落とす。 「あ……っ、んぅ…っ」 「アル…、アルフリート…」 緩んだ袷から忍ばせた指が、滑らかな肌を滑り。 芯が通った粒に触れた。 これは夢なのか、現なのか。 過ぎる快楽に身を捩り、アルフリートはリカルドが与える口づけに酔う。 「ひぁ…っ、…ルゥ…っ」 「ア…ル…、舌…出して…み」 「んふ…」 差し出した舌がやわやわと噛まれて、華奢な体がびくびくと跳ねる。 片手を袷から滑り込ませ、ゆっくり下へと滑らせる。 「あふ…っ、あっ、あ………っ」 二人の熱を纏めて手で包み、滲んだ蜜の滑りを借りて更に煽り立てていく…。 一度寝入ったら絶対に起きないからこそ、こうして触れていられる。 「あっ、あ…っ、あぁ…っ」 「俺だけを…、いつか、俺だけを受け入れてくれ…、アル…」 「んぅ…っ」 「………っ」 いっそ、このまま自分の。 自分だけのアルフリートにしてしまいたい。 だが。それは許されていないこと…。 許されないからこそ、リカルドの中で更に熱は渦巻く。 一気に高みへと押し上げられる感覚の後、意識が真っ白に塗りつぶされていく。 「………ぁ…っ」 「……くぅ……っ」 すべらかな肌に散らされた熱の残滓。 それを軽く拭いてやり、そっとベッドから抜け出す。 お湯に浸したタオルで、改めてアルフリートを拭いてやらねば。 体の疼きを堪えながら、リカルドは台所に向かった。

ともだちにシェアしよう!