3 / 306

点滴と白い腕

目が覚めたら、見慣れぬ天井。 ん?……俺の部屋じゃないよな? 体がとにかく重くて、頭が痛い。 あと、なんか胸んとこも痛い。とゆうか、もう全身不快感がハンパない。 ゆっくりと部屋を見渡せば、点滴の管が自分の腕に繋がっているのが見える。 自分の腕を見て、その白さと細さにギョッとする。 なにここ? 病院!? 俺、入院してるの? てゆうか、痩せすぎじゃね!? とりあえず白衣の天使を! ナースコールを……でも、腕がろくに動かせないし、声も出ない。 ウギギ、と静かに奮闘していたら白衣の中年男性が入ってきた。 あ、先生! 超助けて! 先生は俺を見て、ハッとして駆け寄った。 「意識が戻ったんだね! 私の声が聞こえるかい?」 痛いのを我慢して、どうにか頷く。 とにかく、体が思うように動かなくて、痛いし気持ち悪い。 先生に何やら反応テストやら、チェックやらされて、もう大丈夫だと言われた。ほんとかよ? 医者の大丈夫は信用ならんもんはないって、じいちゃん言ってたぞ。 どうやら俺は、とても危険な手術をして三ヶ月も意識が無かったらしい。 いったい何があったんだ!? 先生は俺がもう少し回復するまで話す気はないみたいで……ショックを受けるだろうからって言われたけど、怖ぇえよ! というか、親や友達、小林すら見舞いに来ないのか、誰もいないし。 いったい俺に何が起こったんだ。 浦島太郎状態になっちゃってるとか!? 俺は一人、ただっ広い病室でろくに動けず、声も出せずに悶々と、ひたすら回復を待ったのだった。

ともだちにシェアしよう!