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点滴と白い腕
目が覚めたら、見慣れぬ天井。
ん?……俺の部屋じゃないよな?
体がとにかく重くて、頭が痛い。
あと、なんか胸んとこも痛い。とゆうか、もう全身不快感がハンパない。
ゆっくりと部屋を見渡せば、点滴の管が自分の腕に繋がっているのが見える。
自分の腕を見て、その白さと細さにギョッとする。
なにここ? 病院!?
俺、入院してるの?
てゆうか、痩せすぎじゃね!?
とりあえず白衣の天使を! ナースコールを……でも、腕がろくに動かせないし、声も出ない。
ウギギ、と静かに奮闘していたら白衣の中年男性が入ってきた。
あ、先生! 超助けて!
先生は俺を見て、ハッとして駆け寄った。
「意識が戻ったんだね! 私の声が聞こえるかい?」
痛いのを我慢して、どうにか頷く。
とにかく、体が思うように動かなくて、痛いし気持ち悪い。
先生に何やら反応テストやら、チェックやらされて、もう大丈夫だと言われた。ほんとかよ? 医者の大丈夫は信用ならんもんはないって、じいちゃん言ってたぞ。
どうやら俺は、とても危険な手術をして三ヶ月も意識が無かったらしい。
いったい何があったんだ!?
先生は俺がもう少し回復するまで話す気はないみたいで……ショックを受けるだろうからって言われたけど、怖ぇえよ!
というか、親や友達、小林すら見舞いに来ないのか、誰もいないし。
いったい俺に何が起こったんだ。
浦島太郎状態になっちゃってるとか!?
俺は一人、ただっ広い病室でろくに動けず、声も出せずに悶々と、ひたすら回復を待ったのだった。
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