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千尋と放課後3[side 園田]
[side 園田]
高槻先輩が有栖川くんを迎えに来た。
……え。千尋って呼んでんの!?
すでに下の名前、呼び捨てなの!?
しかも、なんか優しい目で見てるし。
腐男子フィルター無しにしても、高槻先輩が有栖川くんに目をかけてるのが分かる。
密かに、はうはうしながら見てたら、高槻先輩が僕の方を見た。
「ありがとう」
と、僕にお礼を言った。ちょっとドキッとしちゃった。
「いいえええ!!」
僕は慌てて、首を振った。
というか、高槻先輩と話したの初めてなんだ。
高槻先輩は1仏陀とか言われてて、やんちゃな生徒からは、けっこうビビられてる。
でも、人気もあるんだよね。
すっきりと整った爽やかイケメンで、硬派だし。
ただ、この学園のチワワ系をうざがってるし。浮いた噂も無い。遠巻きにモテてるだけ。
噂だけど……前の同室者も高槻先輩の教育的指導という名の説教(調教?)に逃げてったらしいし。
なんか、有栖川くんには、めっちゃ優しそうなんですけどー。
……これって、アレだよね。
僕はお邪魔しないように、先に教室を出た。
有栖川くんは、ちょっと前にこの学園に来たアイツとは大違いだ。
僕は寮までの道のりをウキウキした足取りで帰った。
僕の無害な妄想趣味に彩が増えたよ。
ありがとう。有栖川くん。
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