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高槻先輩と仲直り2

「昼飯は買ってきたのか?」 「まだです」 「途中で買っていこう」 あ、お昼一緒に食べるのか。 俺はサクッと謝って戻ろうと思ってたんだけど、高槻先輩からも話したいことあるのかな? 俺は高槻先輩と昼飯と飲み物買って校舎を出た。 人気の無いところまで歩いて、ベンチに座った。 「………」 気まずい。 「千尋」 「あのっ」 同時に喋り出しちゃった。 「高槻先輩からどうぞ」 「いや。千尋から」 ダメだ。ゆずり合う主婦同士の会話みたいだ。 俺は一息に言った。 「高槻先輩、今朝はごめんなさい。隠し事もしてて、ごめんなさい」 バッと頭を下げる。 「千尋! 悪いのは俺の方だ。すまなかった」 高槻先輩も頭を下げた。 「……じゃあ、おあいこってことで仲直りにしませんか?」 高槻先輩は一瞬キョトンとして、俺を見て笑った。 「ああ」 見慣れたとはいえ、やっぱりイケメンだなぁ。 とりあえず、無事仲直りできたし、俺と高槻先輩は昼飯を食べることにした。 学校で一緒に食べるのは、初日のモーニング以来だな。 俺は照り焼きチキンサンド、高槻先輩はBLTと焼き野菜サンド。 「でも、高槻先輩も過保護すぎですよ。反対されると思うから、つい言いたくなくなっちゃうんですよ?」 「それは……すまなかった」 高槻先輩は、ちょっとしょんぼりしてる。 「あっ。でもこれから、過保護やめたら全然オッケーですよ。俺も男なんだし」 「それはダメだ」 「えっ?」 「過保護は止めん」 え─────っ!?

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