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高槻先輩と仲直り3

言い切った! この人、言い切ったよ。 「ちょっと、先輩。過保護やめないって………」 俺、あんたの子供じゃないんだけど。 「制裁のこともあるが……同室だからってだけじゃない」 高槻先輩が俺を見て言った。 「俺がそうしたいんだ。お前を守りたい」 「えっ」 「今朝も言ったが、俺にお前を守らせてくれ。千尋」 「………!!」 高槻先輩は真摯な眼差しで俺を見ている。 見慣れたはずの顔が、ひどく大人びて、男らしく見えた。 これ、女だったら惚れてるよなぁ。ある意味、殺し文句だ。 多分、俺の顔は真っ赤になってると思う。 高槻先輩がふわっと笑った。 「どうした。赤くなってる」 俺の頬を手の甲でそっと撫でた。 「ちょっと!」 なんなんだ。まったく。 「……高槻先輩。意外とタラシでしょ」 「そんなことないぞ」 「今の、女子に言ったら、イチコロですよ!」 「千尋にしか言わないよ」 「えっ……あ、そっすか」 ダメだ。この人、意外と天然だ。 俺は赤くなってるであろう頬をゴシゴシと手で擦った。

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