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千尋と筋肉ハリウッド1

放課後。 一旦、寮に帰ってから着替えを持って、委員長とトレーニングルームへ行くことになった。 委員長にトレーニングルームを使う為のID兼カードキーを貰った。 ただし、条件付き。 一人では行かないこと。 高槻先輩か委員長、どちらかと一緒に行くこと。 保護者かよって思ったけど、委員長から今朝あんな写真を見せられて…… 閉鎖された男子校の闇を見た気がした。 俺は素直に委員長の条件を呑んだ。 高槻先輩は風紀のお仕事だ。 今日は委員長と二人。 「おお!」 トレーニングルームって言うけど、独立した建物だった。普通にスポーツジムみたい。 二階建てで、屋内プールやテニスコート、道場的なルームもある。 ……ここ、学校ですよね。 俺の高校時代なんか、オンボロ体育館一個だったぞ。 「どうした?」 「いや。金持ちめって思って」 「お前もだろうが」 委員長が笑って、俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。

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