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千尋とシャワーと謎の金髪男2
とりあえずスマホはロッカーに入れたまま、着替えだけ持ってシャワールームに入る。
着替えを棚に置いて、タオルを一枚取った。
シャワールームは空いていた。
一人だけ、誰か奥でシャワーを浴びてるみたいだ。
俺は真反対のシャワーブースを使うことにした。
Tシャツとハーパンを脱いで、広めのシャワーブースに入って磨りガラスのドアを閉めた。
ドア横のフックにタオルを引っ掛ける。
蛇口を捻って、熱いシャワーを浴びた。
汗かいたから、超気持ちいい。
もうここでお風呂済ませちゃえ。
俺はフンフンと鼻歌を歌いながら、シャンプーした。ちなみにちょっとだけ音痴だ。
ときどき音が外れてるんだって。小林に「山田の鼻歌は時々、音程が家出してる」って言われたなぁ。
なんてことを思い出してると………
バンッと磨りガラスのドアが外から開けられた。
「………その不愉快な鼻歌を止めろ」
地を這うようなというのはこの事だ。
背後からすっげぇ低くて、不機嫌な声で言われた。
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