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チャラ男と追いかけっこ1
次の日も両手に風紀で登校した。
すっかり名物風景になっちまった。
風景委員は親衛隊禁止らしく、ニ人ともファンは多いけど親衛隊はいない。
ニ人のファンに殺されるんじゃ……って言ったら「問題無い。俺らが親衛隊とか制裁を嫌悪してるって知ってるからな」って言われた。
一限目の理科が終わって、教室に戻ってから忘れ物に気付いた。
「ちょっと忘れ物取りに行ってくる」
「アリスちゃん。一緒に………」
「大丈夫。すぐそこだし」
俺は急いで理科室に戻った。
誰もいない理科室に入る。
えっと……あ! 机の下に落ちてた。
俺はしゃがみ込んでシャーペンを拾った。
「………ダメだって………こんな場所で」
誰かが理科室に入ってきて、ひそひそ声で話してる。
「そんなこと言って、燃えるくせに」
「あっ………」
なんか甘い声が………。
俺はこっそり顔を上げて様子を伺うと、理科教師と生徒がイチャコラしていた。
げげぇ!!
ついにガチホモ場面に遭遇だっ!!
しかも禁断の生徒と教師だ!
俺はババッとしゃがみこむ。
ど、どうしよう。出るに出れない。
だが、このままホモの逢いびきを盗み聞きなんてしたくねぇし。おえぇ!
机の下で静かに慌てていると………
「そこに隠れてる子。出ておいで」
げっ!! バレてる─────ッッ!!
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