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御影と高槻と美村1[side 園田]
【side 園田】
鳴海さんの体を張った足止め行為を無駄にはできない。僕は走りながら大声で叫んだ。
「有栖川くーん!! 僕だよ! 園田! どこにいるの!?」
書記様は戸惑い顔で僕の後を追っている。書記様に道化の役回りは似合わないよねぇ。
僕はピタッと足を止めた。
「書記様。僕が注意を引いておきますので、有栖川くんを探して下さい」
「えっ。そんな事は……」
「二度と有栖川くんに会えなくてもいいんですか?」
「!」
「ここは僕と鳴海さんに任せて、有栖川くんのところへ行って下さい」
書記様は真摯な表情でこくりと頷いた。
「分かった。ありがとう。園田君」
「いいえ!」
王子様フェイスにちょっとドキドキしてしまった。鳴海さんが書記様推しなのも分かるなぁ……と、僕は目立たなくっちゃ。
「有栖川く─────ん!!」
僕は書記様とは反対方向へ走った。バタバタと足音が聞こえて、黒スーツの男達がこっちに来た。
「わぁッ!」
僕は全速力で逃げたけど、足遅いんだよね。あっという間に追いつかれちゃう。
書記様、委員長、高槻先輩、美村くん!あとは任せたよ!
【side 美村】
「ほんとに侵入できちゃいましたねぇ」
鳴海さんの言った通り、使用人用の裏口から入れた。
この時間は昼食の準備をしていて気付かれないだろうって言われてたけど、ほんとにあっさり進入できちゃったよ。
「油断するな。行くぞ」
「はいはい。ちょっと待ってくださいねぇ」
焦る高槻先輩を尻目に、俺は屋敷の見取り図を広げた。
「アリスちゃんの部屋はぁ……ココですね。右に進みましょ」
鳴海さんが護衛の目はこちらに引きつけておくって言ってたけど、園ちゃん大丈夫かなぁ。
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