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Side晴也 「ばっっっかじゃないの!?」 「は、遥…………落ち着け……」 「落ち着いてられるわけないじゃん! ばかおる!」 あぁ…………怒らせてしまった…………完全に怒らせた……………… 電話越しではわからない、という遥のために、家まで来て、説明した……………… そうしたら、話をすればするほど遥は顔を真っ赤にして怒り…………話終わる頃には目の前に角を生やした遥が出来上がった………… その鬼のような形相に俺はなにも言えなくなり、ただただ正座をして反省するしかなかった……………… 遥に睨まれている俺を見て、薫が慰めるような目線を送ってくるが…………切ないだけだ………… 家に来て、30分はたったと思うのだが、それだけ説教してもまだ怒りは収まらないようで……… 遥はまだぶちギレていた……………… 「だいたいね! 子供ができて怒る母親なんていないからね!? ………………世間にはいるかもだけど! 鈴は違うから!! あの子は君と違って優しいから!」 「っ…………そうだよな…………」 「まぁ、そうなんだけどさ、遥もう少し優しく…………」 薫がフォローのために、俺と遥の間に入ってくれる……………… しかしそれで遥の怒りが収まるわけがなく…… 火に油を注いだだけだった……………… 「はぁ!? こいつに優しくしたところで舞い上がるだけでしょ! 鈴が、可哀想!!!!!! 馬鹿なの!?アホなの!?はぁ!?」 「す、すみません………………」 ここまで怒っている遥を今まで見たことがなく…………遥自身も怒り方が分からなくなったのか、だんだんおかしな怒り方になってきた…… そして……なぜか、薫と俺、二人が遥の前に正座して、反省するという変な絵図ができた………… だいたいねぇ!と怒り始めた遥に、これは長くなりそうだ………………と薫と2人で覚悟を決めたのだった………………

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