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「……ピアス……か?」 原因がピアスしか思いつかなかった もし、さっきから聞こえている声が心の声なら………… もし、心の声が聞こえるのが本当なら…… 全ての辻褄が合う しかも心の声が聴けるのなら……普段気持ちを聞かせてくれない鈴の心の中が覗けるわけで……………… 覗いていいわけがないのは分かっているが、いつも気持ちがわからなくて不安を抱えてばかりいる俺は正常な判断ができずにいた ソワソワした気持ちを抱えながら、鈴の帰りを待っていると 何も知らない鈴が、ただいまーと声を上げて玄関のドアを開ける 焦ってもたつく足をなんとか急かし、ドタバタと大きな音を立てながら玄関へ向かった 「……………………え?」 『急いで、どうしたんだろう晴也』 「……………………」 「……………………?」 『え、なんか見られてる、なに?』 「ううん、なんでもない」 口が動いていないのに声が聞こえる やっぱり心の声が聞こえてるんだ! ワクワクしながら鈴の手を引きリビングへ戻る キョトンとして俺を見上げてきたが、とくにきにしてないようで、直ぐに料理に取りかかった リビングのソファに座り、料理をしている鈴の背中を見つめていると微かだが声が聞こえてきた 耳を凝らしてその声を聞くと……………… 『晴也、しょっぱい唐揚げが好きなんだよな』 「………………お、っふ……」 『サラダはツナサラダが好きで、タレはシーザーが好きだし…………』 「………………っ」 『スープは……コンソメにして………… トマト好きだから、多めに入れよう』 もう無理!! やべぇよ……俺超愛されてる! ブルブルと自分の体を抱え、悶える まさか、こんなに俺の事を考えて料理を作ってくれているなんて知らなかった 「晴也?どうしたの?」 「や、ご馳走様です…………」 「………………は?」 訝しげに見てくる鈴を無視して、俺はただひたすらソファに顔を沈めて悶えていた

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