36 / 101

恋愛相談→sideS

富田君から貰ったいちごみるくをポケにしまい、センセに便座壊れたのを謝ってから、ぼやぼやと自分の仲間達が溜まり場にしている空き教室へと行くと、誰もいなかったのでマットのうえに寝そべった。 正直…………大したことじゃないと思ってた。 女の子を抱くより何をするってわけじゃないから、めんどくさく無くて、頭もってかれるくらい気持ちがいい。 脅されてるとかは、あんまり関係なくて行為に溺れてんのも結局自分自身だなって思う。 嫌だとかも思わない。だから、困る。 大体、俺の仲間達は、俺が何をしてたって恥ずかしいとが考えないだろうし。脅迫なんて、大した意味もない。 ポケからパックを取り出してストローを刺し、口に含む。 チュッと啜ると既にぬるくなってて、ひどく甘ったるい。 なんで言うこと聞いてるのかだなんて、自分もよくわからない。 嫌われているのはわかるけど、だから抱きたいとかわけがわからないから知りたい、好奇心? 好奇心、だけじゃ実際すまなくなってきてはいる。 体もなんか、おかしくなってきている。 ガラッと引き戸が開いて目を上げると、ダラダラと将兵が中に入ってくる。 「………おう………士龍?なんだよ……ねてんの?」 将兵は俺の派閥のナンバー2で、3年なので、もうすぐ卒業する。 元々は五十嵐さんの派閥で、派閥内トップ争いをしていような奴である。 その争いを諫めるために、五十嵐さんが俺を派閥に引き込んだ。 俺に勝てたら派閥のトップにすると。 まあ、全員ひとりひとり返り討ちにはしたんだけど、将兵には、かなり苦戦した。 結局そのまま、五十嵐さんのとこの人が俺の仲間になった。 「寝てねーけどさ、んー、ダルイ。なあ、ショーちゃん、俺、胸がモヤモヤ苦しい」 「んだよ?胸?殴られたのか?それとも拾い食いして、食あたり?」 将兵は、ぽんとマットの隅に座り心配するように俺の頭をわさわさと撫でる。 「…………んー、食あたりじゃねぇな。…………セフレにさ、アンタとは性処理だよって言われて気分わるいの」 「ぶはッ……!!なんだよ。そりゃあ、オマエがそのセフレのことが好きなんじゃねーの?」 俺が、好きなのか? 俺が、富田君をそういう風に好きとか思っているのだろうか。 「そうなのかなー。顔も身体も好みじゃないんだ」 俺はどっちかというと、目がくるっとしたほんわか系の可愛い女の子が好きだ。 身体も柔らかくて華奢な子が良くって、よく遊んでいたのはそんな子たちだ。 富田君は、目元はキツイし顔は怖いし、鍛えているからゴツゴツだし。 「でも、セフレってこた、まあ、ヤることやってんだろ?まあ、セックスは情が湧くからさ、全然好きじゃなくても、身体を重ねたら自分のモノだと思うもんだ。…………まあ、好きならオトせよ」 将兵は、まったくしょうがねえなと笑いながら俺に言う。 オトせ言われても、なあ。 俺は嫌われているしなあ。 「嫌われてるから無理」 「……は?セフレなんだろ。生理的に嫌いな奴とセックスできねーよ。まあ、好き好き言われるより、キライって言われた方が気になるし、あんがい恋愛テクニックかもよ」 「そうなのか?」 将兵の言葉に、俺はガバッと身を起こした。 「大体、士龍はイケメンなんだから、そー嫌う奴はいないだろうよ」 「顔な…………うーん」 「まあ、辛気臭え顔してんじゃねえよ。道郎も誘ってボーリングいくか?」 ポンッと背中を叩かれると、なんだか力が出てくる。 パックの中のいちごみるくを全部飲み干した。 わからねえけど、多分俺は富田君が好きなんだろうな。それは、わかった。 「あー、うん。行くー」

ともだちにシェアしよう!