73 / 101
僅花一朝→sideS
卵と鶏肉とネギ、朝食用の食材を買い込んで部屋に戻って冷蔵庫へと入れる。冷蔵庫には、お茶のペットボトルと何故かビールが入っている。
未成年がよくないなと思うが、俺もタバコ吸っているので人の事は言えない。禁煙しよう。
キスの時に味が移るから、吸ってないヤツのが可哀想だし。
それにしても、ぴかぴかでカッコイイ電子コンロだ。それに、電子レンジも○ルシアみたいな、まったく使いこなせてないようなのが勿体ない。
宝の持ち腐れ?ってやつだな。レンジは腐らないしナマモノが宝とかあんまないし、日本語はおかしい言葉ばかりだ。
「なに、作るんだ?」
虎王にのぞきこまれて、調味料をあさる。
封が切られていない七味をあけて、瓶に詰めなおす。
「おやこどん」
「それって、家で作れんのか?!」
驚く虎王は、かなりいいとこの坊やなんだろうな。
俺は、ネギをキレイなまないたで切り始める。
一人暮らしで、外食ばっかじゃ体に悪いし、なんなら毎日でも通ってメシを食わせてやりたい。
とか、いきなり通い妻宣言しちまいそう。それもいいかもなあ。
とりあえず玉ねぎと鶏肉を煮ている間に炊飯器で飯をたく。
新品同様の炊飯器に、マジで飯を作ってない感が満載である。
まあ、俺も昼メシはいつも購買のパンだけど。一年の時は弁当作ってたな。
最近はなんか皆んながパンを買ってくれるからな。
特に、メロンパンは絶品すぎる。
回りについてるカリカリが砂糖の量が多くてホントにうまい。
卵を容器に割り入れてかき混ぜていると、背後から虎王が覗きこんでくる。
「すげえ、美味そうな匂いする。エプロンとか、買ったらつけてくれる?」
鍋の中に溶き卵を混ぜてふわりとするようにかきまぜる。
「…………え、エプロンするような良い服着てつくんねえよ?」
「いや、裸で…………」
オイオイ、オマエはおじさんか?
思わず吹き出しかけ、俺は炊き上がったごはんを、お椀によそりながらどう反応しようかとなやむ。
「まあ…………料理作る時は、料理つくるのに熱中させてほしい」
火を使ってたりしたら、危ないしなあ。
「いや、あれ。えっと…………」
恥ずかしくなったのか、俯いて真っ赤な顔をしてブツブツいっているので、可愛いなあと思う。
鍋の火をとめて、背中を抱き寄せて頭をくしゃくしゃと撫でる。
「料理作ってないときなら、やってやってもいいけど、ソレは俺でも興奮できるものなのか?」
腰をかがめて顔を覗きかえすと、顔を真っ赤にしたまま頷かれる。
「…………アンタだから、いいんだ……よ」
ボソリとつぶやくのが、なんだかいいなと思って、頬に軽く唇を寄せた。
ともだちにシェアしよう!

