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青天霹靂→sideT
「虎王、どういうことだ!?」
焦った様子で、父親はオレの胸ぐらをぐいと掴む。
見た目よりは力が強いが、でも、やはり優男の力だし、オレを投げたりは出来ないだろう。
「だから、さっき恋人きてるッて言っただろ………………まあ、男だけど。そういうアンタこそ、士龍と知り合いなのか」
「何を言ってるか分かってるのか!?…………士龍は私の息子だ。オマエらは兄弟なんだぞ!…………それ以前に、お前たちは男同士じゃないか!!すぐに別れなさい」
オレは2人の間に立って、思いも寄らない事実とその展開に口をあんぐりあけて2人を見返した。
確かに金髪だし、並んで見るとオレと父親より、士龍と父親の方が親子のようにそっくりだ。っていうか、マジで親子……かよ。
士龍が父親の元嫁の息子というなら、IQ140とかの超天才なんじゃねえのか。
東高とかにいるわけねえじゃねえか。
いろいろ辻褄があわないのに、父親とならぶと良く似た顔に、分かりたくはないが、分かってしまう。
確実に、オレと士龍のタネは一緒だってことで、そしたら………?
オレと士龍は……。
き、きょうだい…………かよ。
激昂する父親以上に、オレは混乱して、怒りにまさかせて拳をテーブルの上に叩きつけた。
「知るかよ!!どれが、アンタのタネとか、そうじゃねーとか、ちげーとかどうやったって、分かるかよ!!ふざけんな!勝手に人の恋愛に口出してくんじゃねえ!」
「それが父親に対する態度か!」
父親が、オレ掌を振り上げるのを見て、咄嗟にオレ握っていた拳を父親の頭をめがけて繰り出す。
バッチン
激しい肉を叩く音が響く、が、痛みはない。
拳も柔らかな大きな手のひらで、そっと包みこまれる。
「士龍……」
父親の平手打ちを頬に受けながら、士龍はオレの拳をいつものように余裕で受け止めている。
全く、オレの拳は効いてはいないようだ。
「とーちゃん、心配しないで。わかったよ…………大丈夫だよ、俺はたけおと、ちゃんと別れるから」
オレには見せたことのないような、穏やかな笑みを浮かべて立っていた。
「何言ってんだよ、…………士龍」
こいつは何を言ってんだ、なに、勝手なことを言ってんだ。
「たけおも、とーちゃん殴っちゃダメだぞ。朝飯用意すっから、とーちゃんも食べてッて」
いつもと変わらない口調で、のんびりと話す士龍の真意がまったく見えない。
「オレは別れないからな!!」
必死で叫ぶと、士龍がオレの拳を握る手に少し力が入る。
じっと目を見ると、いつもの余裕な光がその表情にはみえなかった。
しばらく押し黙って、吹っ切るように頭を軽く横に振ると、士龍は今でにないような冷たい視線を、オレに向けた。
「俺が終わりって言ったら終わりなんだ。わかれ。俺だって…………弟とセックスはできねーよ」
あからさまな拒絶を口にすると、士龍はオレの拳を離して、キッチンへと向かった。
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