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暗中模索→sideT

連れてこられてから、一体何日がたったのか全く見当がつかない。目隠しはされたままだし、トイレも見張りつきだ。 風呂にも入っていないので、皮膚も気持ち悪い。 今が朝なのか夜なのかすらまったく分からない。 「オマエの父親は、薄情だよな。手紙にも全く反応してこないなんてな。簡易書留で送ったから、届いてるのは確かなんだけどな」 今更そんなこと突きつけられなくても、オレは父親の性格は知っている。 あいつは世間体とか地位とかを大事にする。だから、ずっとおふくろを泣かせていた。 それで平気な顔している男だ。オレが攫われたからって病院をなげうつような事はしない。それは、分かっている。 「…………漁船に売り払うか、内臓かっさばいて売り払うか……どうしようかねぇ……」 掠れた低めの声でオレをビビらせようと耳打ちする男が、この事務所を任されているやつなのだろう。 1番落ち着いた雰囲気があり、近くにこられるとタバコと香料マジリのイヤな匂いがする。 今さら、そんなのでビビりはしない。 もうオレには何もない。士龍に会いたいとは思っていたが、たぶん拒否されるに違いがないので、この際どうにもなるわけはない。 また、おふくろを泣かせてしまうことが、後悔だけど。 「親父がオレのために、仕事を台無しにすることはしねえよ。…………好きにすりゃあいいぜ、腎臓でも心臓でももっていけ」 ヤケになって言っているわけじゃない。 そんなことはない。 助けなんかこない。それは事実だ。 期待なんかするだけ無駄だし、今さら足掻いても仕方がない。 恐怖すらも通り過ぎて、覚悟を決めてしまったら、他には何もないのだから、サッパリこの世への未練は断ち切れた。 「こりゃあ、泣いて命乞いするかと思えば、肝が座ったわっぱもいたもんだな」 するりと黒い布を外されると、目の前には色眼鏡をかけたスーツの男がオレを面白がるような見下ろしている。 急激に襲ったは光の眩しさに目をチカチカさせながら、怯まずに見返す。 「…………命乞いして、救われるならさ、いくらでもするけど?そんなにアンタたち甘くないんでしょ」 虚勢と言うならいえばいい。 ハッタリだろうとなんだろうと、こっちは腹をくくっている。 「く、生意気言いやがって。こーこーせーらしく甘えたことを言えばいいのによォ」 逃げるにしても、20人はいそうだし、何しろ拘束されていて身動きできない。 1人でどうこうできるわけがない。 「まあ、伊達に東高に入ってねえってことか。その気合い、気に入った。このまま俺の下につかせてやる。鉄砲玉も楽しいもんだぜ」 色眼鏡の男はオレの目を好意的に見返し、ニヤリと楽し気に笑った。

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