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虎穴虎子→sideS

日高は俺たちと歩いていると逆に不審がられると言って、少し先を離れて歩いている。俺達は、遠目から見ても柄が悪いがまあ、繁華街なので逆に目立たないようだ。 いちいち、日高が通るチャラ男に声をかけられるのを見て、イライラと手をだしそうな顔をしているのを俺は腕を引いて止めると、トール君は舌打ちをする。 普段バラバラに歩かないから、きっと女の子にも日高は声をかけられることもないんだろう。 「まあ、ヤッちゃん綺麗だから、しょうがないよ。女装した、男までとりこにしちゃうとか凄すぎるけどさ」 横でフォローを入れると、少し眉をあげてそうだなーと仕方ないなと返してくる。 「俺も、ヤスの顔が一番好きだ」 隠すことはないのか、素直な答えに俺もだが、直哉と元宮は目を見開く。 「あ、そう言えば、俺も突っ込ませる方試したけど、言われた通りキモチよかったよ」 トール君は俺を驚いたように見返して、ちょっと考えこみ、 「シロの恋人もオトコなのか」 「うん」 「…………シロも頑丈になったからな。そうか…………まあ、でも無茶なことはさせないようにしないとな。ヤスに腕ぶち込まれた時は流石に……俺でも死ぬかと思った」 俺は、あまりの衝撃に口をぱっかり開いた。 「いや、頑丈でも中から腹パンは死ぬでしょ」 「ちょ、おふたりさん、なんつー話をしてるんですか。二人そろって花畑おさんぽ組ですか」 直哉が焦って俺らの話を遮ったが、年下2人はトール君の素顔を知って意外な顔を隠せない様子である。 うちのチームには、手を出すなと強く言ってたから、直哉なんかは噂くらいしか知らない筈だ。 元宮は、助けに俺を呼んだのだから、トール君とは戦ったはずなんだけど。 「シロはさ、なんで東に行ったんだ?昔はすげえ勉強できただろ」 「んー、中学でさ、トール君たちと別になっちゃっただろ?最初は、小学校のころの延長でチビだから狙われてて、トール君に教わった護身術で倒してたんだけど、成長期くるころには喧嘩で有名になっちゃって、警察沙汰で内申点がね」 まあ、それもあったけど東にいったらトール君にもしかしたら会えるかもとも思ってた。 「すげえでかくなったもんな。ヤスの次に可愛かったのに」 へらっと笑いながら、俺の顔を眺めて少し眉をあげてぽつりと言う。 「今は女装もムリだもんな、俺よりでけえし」 「トールさんは、士龍サンが可愛かったから助けてたんですか?」 直哉はいらんことを聞いてくる。 ガキの頃にそんなこと考えてねーだろ。特にトール君は、好きとか嫌いとか女子とかそういうのに疎い方だ。 「いや、シロのかーちゃんが綺麗だったからさ。イジメられないように、よろしくって頼まれた」 確かに顔が綺麗な人には弱かったな。 俺のかーちゃんは、中身がかなり難ありだが綺麗だ。 日高は、事務所の扉の前にたつととちらっと俺らを振り返り、視線をやると合図する。 トール君は心得たように日高の横に張り付くように、インターホン越しに見えない死角に立つ。 俺たちは、打ち合わせ通りにトール君から約5m離れた位置を確保した。 それを、日高は確認するとインターホンを押して、カメラに綺麗な顔を近づけた。

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