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天使降臨 →side T

誕生日がクリスマスイブなんて、人生を半分損しているなといつからか、そんなことを感じ始めていた。 ケーキでもプレゼントでも、誕生日は一緒になってしまい他のやつは2回も楽しみがあるのに、自分だけ1回しかないんだと気がついたのはいつだったのか。 「虎王(たけお)、今日はお父さん帰ってくるのだからね。また、通知表なくしたとか通らないのだから、ちゃんと出しておきなさいよ」 母さんは小言をいうが、ちゃんと出したところで通知表の成績はよくならない。 「わかってるよ10才の誕生日くらい、好きにしててもいいだろー」 父さんは毎日は家にはこない。 母さんは、父さんの愛人でオレはその子供だ。だから、週末とクリスマスくらいにしか父さんはここにはこない。 俺の誕生日祝いと、クリスマスプレゼントをもってくる。 父さんはハーフなので綺麗な金髪をしている。 オレは母さんに似たのか、他のヤツより少し茶色い髪をしているくらいで、いつ見てもその人が自分の父親だという感じがしなかった。 だいたい、愛人とか作る時点で、オレの中では父親だなんて思ってはいない。 窓の外を見ると綺麗な雪がパラパラと降ってくる。 あー、もう雪がふるだなんてすごいなあ。 「雪、降ってきた。ちょっと、外を見てきていい?」 母さんに問いかけるとごちそうを作るのに必死で聞いていない。 母さんは、裏切られているのに父さんをよっぽど好きなのだろう。 俺は庭ヘの窓をあけて、外に出る。 土に舞い落ちては消える雪にみせられて、庭で空をみあげる。 見渡す限りつづく重そうな灰色の雲の色が不安を誘う。 その時、綺麗な金髪を肩まで纏わせた少女?が塀の上に立ち、そのままダイビングをするかのように、白い服をひらつかせながら庭へと堕ちた。 あ…………。 あまりの美しいものを見て口を思わず開いてみいってしまったが、庭の上に堕ちた少女は緩慢に動作をくりかえす。 思わずかけより、オレは手を伸ばして腕をとる。 「大丈夫?」 天使は顔をあげて、綺麗なガラス玉のような緑の目を俺に向けて微笑んだ。 「Danke. Wissen Sie, mein Vater?」 天使は可愛らしい唇を開いて、聞いたことのない天使語を俺に話しかけるので、全くわからずにオレは首を何度も横に振った。 びっくりしたのと、あまりの綺麗な彼女に鼓動がおさまらず、綺麗な人形のような彼女は困ったように笑い少し汚れた自分の顔を白いコートで拭ってオレを見返した。 「Um in Erstaunen versetzen, tut mir leid.」 天使は、そう天使語で言うと、軽く手を振って俺を見返して笑い、今度は門をひょいと乗り越えて消えていった。

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