9 / 101

孤軍奮闘→sideT

「タケちゃん!!よくも、ハセガワァ!!!」 元宮の声がして、長谷川の脚がオレの腹から外れ、一斉に長谷川に向かって殴りかかろうとしているのがわかる。 オレは、身体の痛みを堪えて身を起こすと、虫でも追い払うように長谷川は三門とかの攻撃もかわして、地面へと殴り沈めていく。 まずい。 助けなきゃ。 オレは背後から落ちてた鉄パイプを拾うと長谷川の頭上に振り下ろす。 簡単に長谷川は避けるとニヤっと笑い唇だけで『遅えよ』と呟くと、腹部にドカリと回し蹴りが入り、横の建物の壁まですっ飛んで叩きつけられる。 全然攻撃がはいらない。 バケモノかよ。 「多勢に無勢とか、…………卑怯なんじゃねーの?俺の大事な相棒を、ひでえ目にあわせたのによ」 怒りも露わにして、視界の隅で仲間達がグチャグチャに殴る蹴るのサンドバック状態になっている。 無理だ。 これは、潰される。 なんとか、しねえと。 報復は、オレの失策にほかならない。 クラクラする頭をなんとか奮い立たせて、壁を支えにたちあがると、元宮へと叫ぶ。 「ミヤ、逃げろ!…………ハセガワは俺が抑える」 抑えられるわけはないが、元宮なら逃げられるはずだ。 オレは捨て身の攻撃で、長谷川の胸元にタックルをくらわせ壁に押し付ける。 きまった。 いままで、攻撃はなにもはきかなかったのに、初めてきまった。 動きを封じるように、ギリギリと壁に身体を押し付けるが、まったく痛みは効いてはいないようだ。 痛覚ないのだろうか。 元宮たちが一斉に逃げたのを確認してから殴りつけようと拳を引き上げると、軽く長谷川はオレの身体を引きはがす。 長谷川は目を細めてオレを見下ろして、 「仲間を逃がすための囮とか、キライじゃねえ」 オレの攻撃を受けたのはわざと、仲間が逃げるまで見逃したのか。 「だけど、俺のほうが報復とかしてえな。ちょっとばかり、殴られとけ、タケちゃんだっけ」 長谷川は、オレを壁に押し付けて、急所にはならない腹部をゴツゴツと殴り始めた。 意識が遠く霞んでいく。 まあ、だけど、アイツらを逃せてよかっ、た。 メンツとか、正直どうでもよくて…………。 たんなる、オレの真壁への対抗心でしかなかったから。 …………そんなのに、巻き込めねえだろ。

ともだちにシェアしよう!