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目が覚めたら……。

ざまぁみろ! これで終わりだ! 心の中でそう呟くと躊躇わずに警察に通報した。電話をかけると直ぐに警察に繋がった。 「こちら警察。事故ですか? 事件ですか?」 電話越しで警察官がそう言って尋ねてきた。俺は直ぐに返事をしようとした。 『たっ、助けて! 殺されるっ!!』  慌ててそう言った手前で突如、電話がプツりと切れて圏外になった。 「な、なんだよクソッ!!」   携帯のアンテナは立ってなく、それどころか急に圏外になった。 「なんでこんな時に……!!」  頭にくると持っている携帯電話をそこら辺に投げた。  クソッ、これが最後のチャンスだったのに――!    激しい憤りを感じながらもそこで考え込んだ。 ――警察には、ちゃんと伝わっただろうか?  ちゃんと聞こえていただろうか?  最後のあの瞬間を思い出しながら冷静に考えた。  いや、警察にはちゃんと聞こえてたはずだ!  そうに決まっている! いや、きっとそうだ!  少ない希望を抱きながら、そうだと自分で確信した。そうしなければこの状況をうまく乗り越えそうにもなかった。すると、携帯電話が鳴った。急いで電話に出ると、あの犯人の男だった。その落胆はかなり大きい。ヤツは笑いながら話しかけてきた。 「悠真、残念だったね。もしかして、警察がキミにかけ直してきたと思った?」 「クッ……!!」 「――まさかホントに警察に通報するなんてねぇ。ちょっと驚いたよ。でもキミの選択肢は間違っている。そんな簡単に物事が上手くいくわけがないだろ?」 「それはどう言う意味だ!?」 「駄目だな悠真。もっとよく考えてごらん。キミは私の手の中にいる。それはつまり、キミの命は私が握ってるのも同然だ。キミを生かすのも殺すのも私、次第ってところだ。わかるかな?」 「ッ……!!」 「通報残念だったね。もしかしたらひょっとして助かったかもしれないのにね。でも警察に逆探知されるほど、私は何も考えてはいない。その手の手段はとっくに打ってある。何故、途中で電話が切れたかわかるかい?」 「クソ! このイカれ野郎っっ!!」 「おいおい。電話越しで怒鳴らないでくれ。私は怒鳴り声とか好きじゃないんだよ」 「うるさい、今すぐここから出せ!!」 「私の話しは最後まで聞くもんだよ? それとも早死にしたいかい?」  激昂する悠真に対して、男はあくまでも冷静な態度で話しかけいた。その冷静さがどこか不気味な雰囲気さえ醸し出していた。

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