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屈辱と……

 『理不尽』と『不条理』。そして、『絶望』。いきなり自分が見えない底なし沼に、突き落とされた気分だった。無上で不条理な理由でワケも分からないまま、顔をも知らない相手に、いきなり拷問された。  背中に押された焼き印に気絶しそうになった。その方がまだ『マシ』だった。痛みに絶叫して、叫ぶ俺の姿を見ながらあいつは後ろでケラケラと笑っていた。  そこに人間らしさなんてのはない。道徳心も、良心も慈悲も欠片もない。あるのはサディズムとしての純粋な本能だ。あいつは本物のサイコ野郎だった。俺を痛めつける事に、何の躊躇いも一切なかった――。 『ぎゃああああああああっっ!!』 『やめろぉおおおぁーーっつ!!』  気絶しそうな激しい痛みに叫びまくり、口からヨダレを垂らした。ついでに目は白目を向いた。こんな経験は普通じゃ体験できない。  そんな状況を体験している俺は自分の置かれた状況が何一つ解らずにいた。ただイカれた野郎に偶然に拉致られて。痛めつけられてるのだけは、確かだった。  あいつは俺に苦痛を与えて喜んでいた。背中に焼き印を押され俺は余りの激痛に意識が飛んだ。ガクッと落ちると全身に力が入らなかった。 辛うじて意識を取り戻すと視界がぼやけた。もう何も考えられない状況だった。あいつは俺の背中に焼き印を押したあと満足げに笑っていた。  

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