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失踪

「よぉ! お前ら何喧嘩してるんだよ~?」 「真樹っ!?」 彼が背後から突然現れると、驚いた表情で天野と近藤は後ろを振り返った。真樹は呑気な様子で、ヘラヘラした顔をすると彼らを見ながらテーブルの空いている席に踏ん反り返った姿勢でドカッと座った。龍騎は持っていたスマホをズボンの後ろのポケットに入れると彼の前に座った。 「今、お前の話をしてた所だ。お前さ、悠真とは仲良いもんな?」 「あっ? 何だよいきなり。龍騎こそ、あいつとスゲー仲良いじゃん。まっ、俺達の方がラブラブだけどな? 何、もしかして妬いてるのか?」 「死ねよ真樹。っつーか、お前に1つ聞きたい事があるんだけど?」 「はぁ? 俺は全然ねーよ。そんなことよりも、すげー眠いんだけど。寝てもいい? カナちゃんの膝枕でいいから寝かせてくれよ」 「ちょっ、やだ……! どこ触ろうとしてるのよ!? 真樹君ったら最低! 勝手に私の膝に頭を乗せて来ないでよ!」  カナは真樹が自分の膝の上に頭を乗せてくるとバシッと叩いた。 「此処の所ずっと遊んでるから超寝不足で眠いんだよ。ちょっと寝かせてくれよ、な?」 真樹はそう言って大きなアクビをすると、彼女の膝に頭を乗っけてきた。カナは迷惑そうな表情をすると再び頭を叩いて嫌がった。 『疲れているから寝かせてくれ』彼のその言葉に近藤は不意に聞き返した。 「疲れてるって何にだよ? お前、授業サボって一体、何やってるんだ?」 「んー? ああ、バイトしてダチとバカ騒ぎして夜とか毎晩遊んでる。で、あとは風俗とか行って遊んだりな。最近、彼女の亜沙美と別れたんだ。やらせてくれって言ったら嫌よだってよ。ホントつまんねぇ女だよな。その点、風俗は楽でいい。本気(マジ)な恋愛するだけ無駄だ。金さえあれば、女はいくらでも股を開くだろ?」 正樹のその言葉に、彼女は無言で椅子を立った。その弾みで椅子から頭ごと床に落ちた。 『いってぇ!!』 「信じられない、最低よ…――! 今のは、女性に対しての偏見と差別よ! 別れた彼女が可哀相。あんたみたいな下半身男と別れて彼女正解だわ!」 「なっ、何だと……!?」  カナはそう言って文句を言うと怒った顔で席を立って移動した。周りもその言葉に共感すると、誰も彼に同情しなかった。それどころか、周囲は冷ややかな視線で彼を見た。真樹はこでイラつくと軽く舌打ちした。  

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