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終わらない悪夢

『わぁああああああああああーーっ!!』  突如、大きな声を上げてベッドから抜け出して窓の方に走った。そして、近くにあった長い電気スタンドを両手に持つと棒の先で窓をガンガンと割った。  外側から打ち付けられてる板を柵の間から一心不乱で叩いて割ろうとした。だが、びくともしなかった。板は思った以上に分厚かった。  棒を力いっぱい振ったので手が痛くなってきた。力尽きると電気スタンドを床に放り投げて、柵に両手を伸ばしてガグンと下に凭れた。 「クソッ! 外れろ、外れろ! 畜生っつ!!」 内側につけられている柵がまるで鉄格子だ。どんなに揺すっても、なかなか外れてくれない。気が狂ったように取り乱しながら叫び続けた。  もうそこには、冷静な判断をできる自分はいなかった。その時は無我夢中だった。そして、床に落ちてる硝子の破片で足の裏を切るとその痛みに悶絶して倒れ込んだ。 『ちくしょうっっ!!』  怒りを爆発させると悔しくて泣いた。そして、不意に家族のことが頭に浮かんできた。きっと今頃、父さんや母さんや兄貴が、心配しているかも知れない。なのに俺はここから一生出れない事に絶望していた。奇跡が起きない限り誰も助けにはこない。そんな状況でどうやって生きろって言うんだ……!?  もう限界だ! 誰でもいいから助けてくれ! 声にはならない声でそう叫ぶと踞(うずくま)ってる自分の前に、硝子の破片が視界に入った。それは鋭く切れ味がよさそうだった。それを目にするとその硝子の破片を手に持った。 「そうだ。この右足を切れば逃げ出せるかも…――」  そう思った瞬間、扉がバンと突然開いた。

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