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【第14話】─輪─

 人と人の繋がりはやがて『輪』になっていく。それは小さい輪から大きな輪もある。一度その輪の中に入ってしまえば脱け出せない。 自分もその輪の一人だ。知らない間に、その輪の中に入れられていることもある。気づいた時にはもう遅い。きっかけが何なのか、どうしてこんなことになったのか考えても答えは出ない。 強いて言えばあれは自分のだった。あいつにまんまと弱味につけ込まれた。そして悠真が突然にいなくなって、俺は全身に鳥肌が立った。 それこそ衝撃的だった。話を聞いて携帯を持ったまま手と体が震えた。悠真が居なくなったのは、もしかして、あの日の夜に関係してるんじゃないかと思った。だがそれを口にするのが怖い。口に出した瞬間に、恐れは恐怖に変わる予感がする。 俺にも『未来』がある。これからって時に自分の将来を台無しにはしたくない。だから俺は、嘘をついてあの時、自分の身を守った。そして自分を守る事で更に新たな嘘を積み重ねた――。  

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