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回想―悠真―

 9月9日、月曜日。当日の記憶――。  その日は大学に行った。いつも通りに自分の家を出て、いつも通りの駅に向かって、通学電車に乗った。 そしていつも通りに講義に出て知り合いの友人達と他愛もない会話をして、普段通りに過ごした。 そう、その日は大学が終わったあとに真樹と他の友人と3人で夕方頃、街に繰り出した。18時頃から20時まで駅前通りにあるカラオケ店で歌を唄って盛り上がった。  そのあと21〜22時まで居酒屋で飲んで騒いだ。 気がついたら23時くらいを回っていた。終電に乗り遅れると思い急いで駅に向かった。  真樹以外の2人は家が近場だったから電車に乗る必要もなかった。 だから2人とはそこで別れた。真樹と駅の近くについたはいいが、俺の方が酔い潰れていて、電車に乗ることは愚か。 駅前通りの入り口で吐いていた。 そうしているうちに最終電車が行ってしまった。 その後の記憶が自分でも大分飛んでいる。その後どうしてだかなかなか思い出せない。少し覚えているのは、酔いつぶれて具合が悪そうにしている俺を真樹が路上で懐抱していたようなそんな曖昧な記憶だ。

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