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お隣りのマツダくん⑤
「迷惑だと思ったし……ずっと、胸にしまっておくつもりだったんだけどね……今日、まーちゃんと一緒に遊んでくれたり、その……裸も…すごいカッコよくて……筋肉とか………それにお皿洗ってくれたり、いっぱい笑ってくれたりして……もう、すごく、好きになっちゃって……。」
下を向いてマグカップを握りしめて震える拓海は、恐らくまだ泣いている。その姿は、智裕には健気で可愛らしく映る。
智裕は持っていたマグカップを床に置いて、ソファに座り、無意識のうちに拓海を包んでいた。
「智裕、くん……。」
「俺、ホモとかゲイとかじゃねーし、普通に女子好きなんですけど、そんでこんなこと言うのもスゲー単純で馬鹿だと思うし、現金かもしれないんですけど……。」
包みこんでいただけの拓海の華奢な身体を、智裕は優しい力で抱きしめてみた。
「俺、今、ツワブキさんのこと好きになりました。」
第三者が見ていたら「単細胞」「バカ」と罵られそうな状況。だが男子高校生、松田智裕が多少の理性を働かせた結果、出した答え。
(この人、めっちゃ可愛い!めっちゃ好きになる!)
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